
気づかずにダブルバインドしていませんか
なかなかいうことを聞いてくれず「〇〇しないなら、もう知らない。勝手にしなさい」と脅すような場面。
子育てでよくみられる光景ですが、これは子どもを脅して恐怖心を抱かせて従わせるダブルバインドといいます。
ダブルバインドとは
アメリカの学者グレゴリー・ベイトソンが提唱した心理用語で二重拘束という意味の造語です。
矛盾する命令を受け取った相手が、その矛盾を指摘できず、最終的には従わなくてはいけない状況に陥ることで大きなストレスを溜めこむコミュニケーションを指します。
矛盾した命令というのがポイントで、「おもちゃを片づけないと全部捨てるよ」といった場合、子どもは「片づけをして」「全部捨てる」という矛盾するメッセージを受け取るとストレスに感じてしまうのです。
子どもは違和感を覚えても、不満に思いながらも親のいうことを聞きます。
ダブルバインドを経験すると子どもはどうなるのか
親を真似する
子どもは親の真似をして、ダブルバインドで相手をコントロールしようとします。
兄弟や友だちに対して「おもちゃを貸してくれないなら、もう遊んであげない」という子も出てきます。
親は口先だけとみるようになる
最初の頃は有効だったダブルバインドも、エスカレートしていくと単なる脅しになってきます。
子どもに単なる脅しであると認識し、親は口だけで実際にはやらないと学習します。
将来しっぺ返しにある恐れも
親の力が強いうちは従いますが、子どもが成長していくと、溜まっていたストレスから暴言や暴力、脅しを受けることになる恐れがあります。
「買ってくれなきゃ、勉強しない」「お金をくれなきゃ、万引きする」など、逆にダブルバインドされるかもしれません。
ダブルバインドしないためには
子どもの気持ちに共感することと、親のいうことを聞いてほしいと説明することが大切です。
公園から帰りたいけど、子どもがまだ遊びたいといったら、遊びたい気持ちに共感し、帰らないといけない理由を伝えます。
頭ごなしに子どもの気持ちを否定せず、寄り添ってあげながらも、どうしてそういうことをいうのかを説明すればダブルバインドを回避できるでしょう。